【特集:有機性廃棄物のリサイクル】
食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律について

高 梨 太 志*

【要 旨】 わが国において,食品の売れ残り,食べ残し,加工残さ等の食品廃棄物は,一般廃棄物のうち約3割を占めている一方,そのリサイクルの取り組みは遅れているのが現状である。
一方,ダイオキシン問題への取り組みを契機として,政府は廃棄物全体の削減目標を定めたところであり,廃棄物の中で一定の割合を占める食品廃棄物についても,その排出抑制を図るための措置が求められている。
そこで,食品廃棄物について発生抑制,肥料・飼料等へのリサイクル等を促進するため,食品関連事業者のリサイクル等の義務,リサイクルの円滑化措置等を定めた「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」が本年5月に成立したところである。
本稿では,法律の制定の経緯,法律の規定内容および関連するデータについて紹介する。

キーワード:食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律,食品廃棄物,食品循環資源,食品関連事業者

廃棄物学会誌,Vol. 11, No.5, pp.332-343, 2000
原稿受付 2000.9.1
* 農林水産省食品流通局企画課食品環境対策室
連絡先:〒100-8950 東京都千代田区霞が関1-2-1