ごみ焼却飛灰中元素の定量に関する蛍光X線分析法の適用性
高 岡 昌 輝*・中 塚 大 輔**・武 田 信 生*・藤 原 健 史*
【要 旨】 焼却飛灰の中間処理の効果や処理物が環境にもたらすリスクの程度を議論するには,特定の元素に注目するだけでなく,含有される多くの元素の濃度を把握し,総合的に検討することが必要である。したがって,焼却飛灰に含有される各元素を正確かつ迅速に分析定量することが重要である。そこでごみ焼却飛灰中元素の定量に関する蛍光X線分析法の適用性を,蛍光X線分析法,ICP発光分析法,中性子放射化分析法の3つの分析法からの測定値を比較することにより評価した。比較的含有量の多い元素については,蛍光X線分析法によりICP発光分析法や中性子放射化分析法と同等の分析値が得られた。飛灰中の各元素のうちCo, As, Se, Hg以外の元素についてはICP発光分析法と蛍光X線分析法とで互いに補完しあうことにより正確に分析できることがわかった。
キーワード:ごみ焼却飛灰,蛍光X線分析,中性子放射化分析,ICP発光分析
廃棄物学会論文誌,Vol.11, No.6, pp.333-342, 2000
原稿受付 2000.5.15 原稿受理 2000.9.25
*京都大学大学院工学研究科 環境工学専攻
**潟^クマ 環境プラント統轄本部 環境計画第一部
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京都大学大学院工学研究科 環境工学専攻 高岡 昌輝