宮崎県における道路橋解体による廃コンクリート発生量予測と長寿命化による発生量抑制効果
土 手   裕*・丸 山 俊 朗*・岡 田 久美子*
【要 旨】 建設構造物には大量の資材が使用されていることから,それから発生する廃棄物量を予測することは廃棄物処理計画を作成する上で重要である。本研究では宮崎県の道路橋を調査し,橋由来の廃コンクリート発生量を予測し,長寿命化の発生量抑制効果を評価した。
解体数の経年変化を表す寿命分布関数として正規分布およびワイブル分布が有効であったが,寿命の大きいところのデータが不足しているため,どちらの分布に従うかは決定できなかった。平均寿命は正規分布では61年,ワイブル分布では69年であった。また,この寿命分布関数は解体数から求められたものにも関わらず,廃コンクリート発生量の予測に用いることが可能であった。発生量は累積量で比較すると予測量と実測量はおおむね良好な一致が得られた。2100年度までの予測では,発生量はほぼ直線的に増加することがわかった。累積発生量は平均寿命を10年延ばすごとに10〜20%削減され,長寿命化の効果を定量的に評価できた。
キーワード:道路橋,寿命分布,長寿命化,発生量抑制,廃コンクリート
廃棄物学会論文誌,Vol.11, No.6, pp.343-350, 2000
原稿受付 2000.5.8 原稿受理 2000.10.16
*宮崎大学工学部
連絡先:〒889-2192 宮崎市学園木花台西1-1
宮崎大学土木環境工学科 土手  裕