【論  文】
脱塩および乾燥処理した丸大豆醤油搾り粕の品質
牧 野 義 雄*・松 下 重 善*・竹 上 伊津子*
【要 旨】 飼料化を目的として,脱脂大豆醤油粕よりも液相割合が高い丸大豆醤油粕を脱塩・乾燥処理した。原料粕に含まれる食塩の98%が除去されるので,飼料の配合設計が容易である。最終製品は25.4%の粗タンパク質を含むので,配合飼料の窒素源として利用できる。粗脂肪含有量が高いため,熱量も581kcal/100gと高く,エネルギー源としても有効利用できる。微生物はほとんど検出されず,水分活性も0.3未満であるため,安全性が高い。以上の結果から,丸大豆醤油粕の乾燥脱塩処理品は,家畜飼料として有効な品質を備えていることが確認できた。

キーワード:醤油,丸大豆,産業廃棄物,飼料,分析
廃棄物学会論文誌,Vol. 12, No.1, pp.26-29, 2001
原稿受付 2000.7.17 原稿受理 2000.11.6
*香川県産業技術センター発酵食品研究所
連絡先:〒761-4421 香川県小豆郡内海町苗羽甲1351-1