【要 旨】 焼却灰処理の有力な方法として溶融・固化があげられる。焼却灰は,カレットとの混合溶融から固化によって,岩石類似の組織を形成することが判明した。本稿では,焼却灰とカレットの混合溶融による固形物(焼却灰溶融物)の生成プロセスを記述し,焼却灰溶融物について岩石学的鉱物学的記載と化学組成分析をおこなった。さらに,このような基礎データをもとにして,焼却灰溶融物と天然石との比較やSiO2-CaO-Al2O3状態図における検討をおこない,焼却灰とカレットの混合比や微量成分の含有量,素材としての用途について岩石学的評価をおこなった。
キーワード:焼却灰溶融物,焼却灰,カレット,溶融物,岩石学的評価
廃棄物学会論文誌,Vol. 12, No.2, pp.59-67, 2001
原稿受付 2000.5.24 原稿受理 2001.1.19
* 神奈川県立生命の星・地球博物館
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神奈川県立生命の星・地球博物館 小出 良幸