小規模オフィスにおける低負担な環境パフォーマンス評価に関する研究
井 山 慶 信*・鄭   桓 ?*・早 瀬 光 司*

【要 旨】 ISO 14001の認証取得は大企業がほとんどであり,多くの小規模オフィスでは人材の配置や費用負担などで導入が困難だが,何らかの環境パフォーマンス評価が必要とされている。1995年に調査を行った8社に継続調査を依頼し,1997年に5社で低負担な環境パフォーマンス評価を行った。承諾した5社は1995年の環境負荷削減の取り組み達成率が高く,非承諾の3社は達成率が低かった。うら紙とシュレッダーとの関係は,シュレッダー処理の割合が高いオフィスではうら紙発生率が低かった。2社で取り組み達成率が半減し,その原因はシュレッダーの導入であった。調査の負担および数値の精度に関して,低負担で精確に測定できるのは一人が一日に一度測定する程度の項目であった。本研究で行った環境パフォーマンス評価は,低負担で各オフィスの環境への取り組みを数値として評価することができ,ISO14001を取得できない小規模オフィスにとって有効であった。

キーワード:小規模オフィス,低負担,環境パフォーマンス評価,継続調査,ISO 14001

廃棄物学会誌,Vol. 12, No.2 pp.125-133, 2001
原稿受付 2000.8.31

* 広島大学大学院 生物圏科学研究科
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