【要 旨】 FRP廃材をモルタル・コンクリート用材料として有効利用することを目的に,FRP廃材の処理行程において,気流粉砕機によりFRPをマトリックス部分と繊維部分に分離し,回収したガラス繊維に関し,モルタル用繊維補強材としての再利用の有効性について検討した。FRP廃材から回収したガラス繊維を用いた短繊維補強モルタルは,繊維混入率の増加に伴い曲げ強度,曲げ靱性とも向上し,モルタルの曲げ特性を向上させうる繊維補強材として有効利用できる。また,モルタルのアルカリ雰囲気内におけるガラス繊維の長期アルカリ劣化に関しては,結合材の普通ポルトランドセメントを高炉スラグ微粉末で30〜50%置換することで低減でき,モルタルの長期曲げ強度をさらに向上できることが明らかとなった。
キーワード:廃棄物,廃FRP,短繊維補強モルタル,練混ぜ方法,曲げ強度
廃棄物学会論文誌,Vol. 12, No.3, pp.93-101, 2001
原稿受付 2000.9.11 原稿受理 2001.2.8
** 東海大学工学部
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