模擬RDFを用いた燃焼におけるダイオキシン類の生成に関する研究
石 橋 憲 明*・岡 島 重 伸*・吉 原 福 全**・西 脇 一 宇**・平 岡 正 勝*

【要 旨】 ごみ中の塩素源,重金属,Ca化合物などとダイオキシン類(PCDDs/DFsおよびCo-PCBs)生成量の関係については,これまでにも研究がなされてきたが,燃焼条件や排ガス処理条件などのダイオキシン類生成に対する関連因子が多いこともあり,単純な相関性については見解がわかれている。本研究では,実験の再現性を高めるため,ごみの成分を想定して選んだ組成的に均一な材料から摸擬RDFを作成し,この摸擬RDF中に添加した塩素源,Cu化合物,Ca化合物,石炭などがPCDDs/DFsの生成あるいは抑制に与える影響を調べた。実験には流動床式の小型実験燃焼炉を用い,各条件の燃焼状態をできるだけ同一にした。得られた結果について重回帰分析を行った。その結果,RDF中の揮発分,Cuが多く,燃焼ガス中のCO濃度,HCl濃度が高いとPCDDs/DFs生成量が増加することを明らかにした。

キーワード:ダイオキシン類,ごみ焼却炉,RDF,重回帰分析

廃棄物学会論文誌,Vol. 12, No.3, pp.112-121, 2001
原稿受付 2000.12.1  原稿受理 2001.2.28

* 立命館大学エコ・テクノロジー研究センター
** 立命館大学理工学部機械工学科
連絡先:〒525-8577 滋賀県草津市野路東1-1-1 立命館大学エコ・テクノロジー研究センター 石橋 憲明