コンポスト化反応のシミュレーション
金 子 栄 廣*・平 山 公 明*・藤 田 賢 二**

【要 旨】 コンポスト化は資源循環型処理のひとつとして着目されているが,反応機構が複雑であることなどから,材料条件に関する情報をもとに事前に処理の可否を判定したり,最適な運転管理条件を実験を行わずに予測することはほとんど不可能な状況にある。
このような問題を解決する方法としてシミュレーションを行うことが考えられる。本研究では,コンポスト化反応速度に環境因子等が与える影響を動力学的に解明するという観点で行われてきた既存の研究成果を整理統合することによって,コンポスト化反応のシミュレーションを試みた。その結果を実験値と比較することによって,シミュレーションの妥当性を評価すると同時にその限界について考察した。また,シミュレーションを行う上で必要となる情報について整理を行った。その結果,シミュレーションはコンポスト化反応を考える上で有用なツールとなり得ることが示された。

キーワード:コンポスト化,シミュレーション,有機性固形廃棄物

廃棄物学会論文誌,Vol. 12, No.3, pp.122-130, 2001
原稿受付 2000.6.23  原稿受理 2001.3.15

* 山梨大学工学部
** (財)水道技術研究センター
連絡先:〒400-8511 山梨県甲府市武田4-3-11 山梨大学工学部土木環境工学科 金子 栄廣