【論 文】
亜臨界水加水分解法による魚肉の有機酸・アミノ酸への有価物化におよぼす反応条件の影響
吉 田 弘 之*・寺 嶋 正 明*・高 橋 洋 平*

【要 旨】 魚肉の亜臨界水加水分解を513K(3.35MPa),528K(4.32MPa),548K(5.51MPa)において検討した。反応条件は水相,油相,固相の全有機炭素(TOC)分布に大きな影響を与えた。無機炭素(IC)収率は全有機炭素(TOC)収率に比較して著しく小さかったが,炭酸が無機炭素のほとんどを占めた。酸化剤の添加は反応生成物の組成に大きな影響をおよぼした。適当量の酸化剤の添加によって,生成物の組成を制御できる可能性を示した。

キーワード:亜臨界水加水分解,魚肉,アミノ酸,有機酸,全有機炭素
廃棄物学会論文誌,Vol.12,No.4,pp.163-167,2001
原稿受付 2000.12.20
*大阪府立大学
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大阪府立大学大学院 工学研究科 物質系専攻化学工学分野 吉田 弘之