【総 説】
ごみ有料化研究の成果と課題:文献レビュー
山 川   肇*・植 田 和 弘**

【要 旨】 本稿では,ごみ有料化に関する論点を整理し,各論点についての議論の進展と到達点,および,今後の課題について述べた。まず家庭系ごみ有料化によるごみ流れの変化として,ごみ減量とその持続性について評価し,減量の内容について紹介するとともに,ごみ減量の影響要因に関する研究を整理した。さらに不法投棄と自家焼却に関する調査結果を紹介した。次にごみ処理の費用負担に関連して,ごみ処理サービスの特性と費用負担の公平性の議論を整理するとともに,提案されている費用負担のあり方について紹介した。さらに逆進性,税の二重取りに関する議論を整理した。その後,財政への影響として手数料収入と処理経費に関する研究を紹介し,住民意識と住民合意についても,合意の条件等について整理した。最後に,粗大ごみ有料化,および,事業系ごみの全面有料化と料金適正化について若干の研究,報告の紹介を行った。

キーワード:ごみ有料化,ごみ減量,経済的インセンティブ,不法投棄,費用負担
廃棄物学会誌,Vol.12,No.4,pp.245-258,2001
原稿受付 2001.5.5
*京都府立大学人間環境学部
**京都大学大学院経済学研究科
連絡先:〒606-8522 京都市左京区下鴨半木町1-5 京都府立大学人間環境学部 山川 肇