コンポスト化反応の固形物生成に対する温度,C/N比の影響
金 子 栄 廣*・飯 田 実*・平 山 公 明*
【要 旨】 コンポスト化は資源循環型廃棄物処理方法のひとつとして着目されているが,その反応に関しては未解明の部分がある。たとえば,好気性コンポストにおいて,微生物作用によって分解された基質中の炭素の一部は二酸化炭素として大気中に放散し,残りは主に微生物体となってコンポスト中に残存すると考えられている。しかし,その定量的関係については把握されておらず,物質収支の面からコンポスト化反応の効率を評価することが十分に出来ないのが現状である。
本研究では,溶存性の基質をコンポスト材料に用いることによって,基質分解量とその結果生じた微生物体が主体と考えられる固形物量との関係を定量的に把握することを試みた。また,この手法を利用して,固形物生成量に対して培養温度や材料のC/N比が与える影響についても検討した。その結果,反応初期の減量効果の面からは,高温で処理したほうが有利なことがわかった。また,C/N比の高い材料の方が反応途中で減量しやすいことも明らかとなった。
キーワード:コンポスト,基質分解,固形物生成,温度,C/N比
廃棄物学会論文誌,Vol.12,No.6,pp.249-255,2001
原稿受付 2001.1.29
*山梨大学工学部
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山梨大学工学部 土木環境工学科 金子 栄廣