【論 文】
有料化自治体における自家焼却行動の影響要因
山 川 肇*・神 下 高 弘**・寺 島 泰***
【要 旨】 本研究では,有料化自治体において自家焼却行動を抑制するための基礎として,世帯属性,環境保全,ごみ減量の観点から自家焼却行動の要因連関モデルを構築し,自家焼却行動の影響要因について総合的に分析した。その結果,自家焼却がごみ減量に有効であり,近所の人は積極的に自家焼却を行っていると考え,自家焼却をするのはルールであると思うほど自家焼却を行う傾向にあり,自家焼却は甚だしい近所迷惑で,自家焼却も手間だと感じるほど自家焼却を行わない傾向にあることが明らかとなった。これらは,住居形態や田畑の有無,居住年数を考慮しても有意な影響を及ぼしていた。以上の結果と従来の知見に基づき,資源化可能な紙・容器包装財の減量手段の構築とその減量への有効性認知を高める情報提供,プラスチックのみでなくすべての自家焼却が問題であるとの広報活動,地域単位で自家焼却抑制を確認することを促す働きかけ等の提案を行った。
キーワード:自家焼却行動,心理的要因,ごみ有料化,環境配慮行動
廃棄物学会論文誌,Vol.13,No.1,pp.12-21,2002
原稿受付 2001.6.15
*京都府立大学人間環境学部
**日本工営コンサルタント国際事業本部
***大阪産業大学人間環境学部
連絡先:〒606-8522 京都市左京区下鴨半木町
京都府立大学人間環境学部 環境デザイン学科 山川 肇