【研究ノート】
薬剤添加によるシュレッダーダスト焼却灰・飛灰の重金属類溶出抑制に関する検討
柿 本 幸 司*・中 野 靖 子*・加 藤 安 彦**
【要 旨】 シュレッダーダストは廃自動車や廃家電品から鉄などの有価物を回収した残渣であり,平成8年4月から管理型埋立処分を義務づけられるに至った産業廃棄物である。
シュレッダーダストを環境庁告示方法で溶出試験すると,多くの場合重金属類の溶出がありそのままでは埋立処分不可であり,また処分地も不足し減容化も溶出抑制とともに重要な課題である。
このシュレッダーダストを焼却することで減容化をはかり,さらに化学薬品やセメントと混合処理することによる重金属類の溶出抑制について検討を行った。その結果,シュレッダーダスト焼却灰および飛灰に対して,炭酸アルカリ塩とセメントを併用した場合,鉛を含めた他の重金属類の溶出が抑制できた。
キーワード:シュレッダーダスト,薬剤処理,重金属,溶出試験,減容化
廃棄物学会論文誌,Vol.13,No.1,pp.41-45,2002
原稿受付 2001.4.20
*九州工業大学工学部
**九州工業大学名誉教授
連絡先:〒804-8550 北九州市戸畑区仙水町1-1
九州工業大学工学部物質工学科 柿本 幸司