一般プラスチックの油化
佐 藤 芳 樹*・齋 藤 喜代志**・橘   秀 昭***
【要 旨】 容器包装リサイクル法にしたがって各自治体において回収・分別されている一般プラスチック廃棄物のリサイクルについては,現在主に焼却,埋め立てなどの方法で処理されているが,ダイオキシンなどの有害ガスの発生や焼却灰からの汚染物質の流出による土壌汚染および最終的には埋立地不足などによって,大きな社会問題となっている。
本稿では化学的な処理法によって,廃プラスチックを燃料または化学原料にリサイクルする油化処理を取り上げる。これまで開発されたドイツおよび稼動中のわが国の油化プラントについて,廃プラスチックの収集・回収状況,粉砕・選別などの前処理工程ならびに解重合,熱分解,水素化分解および接触分解との組み合わせなどの油化工程に分けて,現状の開発・運転状況を概説し,技術的な問題点と生成油の利用状況を検証する。また将来の油化技術の可能性についても検討する。
キーワード:油化,一般プラスチック廃棄物,解重合,熱分解,水素化分解
廃棄物学会誌,Vol.13,No.2,pp.99-106,2002
原稿受付 2002.1.21
*産業技術総合研究所・エネルギー利用研究部門,主任研究員
**(株)苫小牧清掃社,技術顧問
***札幌プラスチックリサイクル(株),技術顧問
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