【論文】
都市ごみ焼却灰および廃プラスチックの処理・有効活用技術に関する環境負荷の定量化
佐野 奨*・市川 牧彦*・玉重 宇幹*・松藤 敏彦**・田中 信壽**

【要 旨】 本研究は,都市ごみ焼却灰の処理・有効利用技術の環境負荷を,地球温暖化および最終処分場枯渇の面から定量化したものである。また,分別収集された廃プラスチックのリサイクル技術についても同時に評価した。灰水洗技術を用いて都市ごみ焼却灰をセメント原料として利用することで,地球温暖化防止および最終処分場延命に極めて有効であることが明らかとなった。現在のセメント製造システムは廃プラスチックを極めて高い効率で有効利用することが可能であり,地球温暖化防止や天然エネルギー資源の延命に極めて効果的であった。

キーワード:都市ごみ焼却灰,廃プラスチック,地球温暖化,最終処分場枯渇,セメント
廃棄物学会論文誌,Vol. 13, No.3, pp.131-140, 2002
原稿受付 2001.6.25  原稿受理 2002.2.1
* 太平洋セメント(株)
** 北海道大学大学院工学研究科環境資源工学専攻 廃棄物処理工学分野
連絡先:〒285-8655 千葉県佐倉市大作2-4-2
太平洋セメント(株) 中央研究所セメント技術G 佐野 奨