【論文】
ポリクロロビフェニルの紫外線脱塩素化に関する研究
田嶋 直樹*・今 雅夫**・西澤 克志*・渡辺 敦雄*

【要 旨】 アルカリ性アルコール中にpoly chlorinated biphenyls(PCBs)を溶解し紫外線で照射すると,PCBsはビフェニルに還元され,PCBs中の塩素(Cl)は塩(NaCl)として回収することができる。この原理を実用装置に展開するには,現実的なパラメータ範囲を設定し,その中で効果があると推定される外部パラメータを適正な値に設定することが必要となる。本報告ではPCBs脱塩素化反応の影響因子として光強度依存性,波長依存性,溶液温度依存性,アルカリ濃度依存性,水分濃度依存性,trichlorobenzens(TCBz)の添加(KC1000に含有されている),を取り上げた。
TCBzをPCBsに順次添加して分解傾向を把握する試験を実施したところ,等重量添加しても分解傾向に変化はみられずPCBsの処理基準値(0.5ppm)以下の分解を達成できた。また,その他のパラメータについての特性も把握することができた。

キーワード:PCBs,TCBz,紫外線,分解,連鎖反応
廃棄物学会論文誌,Vol. 13, No.3, pp.141-150, 2002
原稿受付 2000.9.28  原稿受理 2002.2.8
*(株月ナ 電力システム社k東芝 電力システム社
**(株月ナ 環境技術センターk東芝 環境技術センター
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(株月ナ電力システム社 PCB処理事業推進室 田嶋 直樹k0東芝電力システム社 PCB処理事業推進室 田嶋 直樹