【特集:使用済自動車】
自動車のリサイクルへの取り組みと課題
益田 清*

【要 旨】 (社)日本自動車工業会は,1998年,使用済自動車のリサイクル促進に向け,新たな取組むべき方策として「自主行動計画」を策定し,様々な取組みによる成果を上げてきた。現在,154回通常国会において「使用済自動車の再資源化等に関する法律案(以下 自動車リサイクル法案)」が審議されているが,自動車メーカーの役割は,使用済段階で処理の困難な3品目(フロン,ASR(Automobile Shredder Residue),エアバッグを想定)の引き取りと適正処理・再資源化が規定されており,このような
各関係者の役割を定めることにより,自動車のリサイクルが円滑に運ぶことが期待されている。自動車メーカーは,リサイクルシステムの構築,運用に中心的な役割を果たすことが求められており,従来からの役割である製品の開発・製造段階におけるリサイクル・適正処理の容易性向上に向け,一層の取り組みを行うことはいうまでもなく,使用済自動車のリサイクルが法律に則り円滑に行われるよう,積極的な取り組みを図るべく検討を進めている。

キーワード:リサイクル設計,フロン回収・破壊,自動車リサイクルシステム,シュレッダーダスト,エアバッグ
廃棄物学会誌,Vol. 13, No.4, pp.200-209, 2002
原稿受付 2002.5.24
* (社)日本自動車工業会 環境委員会 リサイクル廃棄物部会部会長
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