韓国における廃棄物管理システムの分析
――国家廃棄物管理総合計画を中心として――
朴 正漢*・笠原 三紀夫*・東野 達*・岩渕 善美*

【要 旨】 韓国における1960年代以降の急激な経済開発に伴う社会産業構造の変化は,先進工業国が経験した環境問題を引き起こし,大量に発生する廃棄物もその一つである。年々増加する廃棄物問題を解決するために,日本と同様,韓国でも一連の法律的整備が行われ,効率的な処理と管理のもとでの廃棄物政策が進められている。そこで,韓国における廃棄物政策の推移を紹介し,環境保全中長期総合計画の一つである『国家廃棄物管理総合計画』を中心として韓国の廃棄物処理システムおよび管理政策の現状と問題点を分析し,今後の廃棄物処理管理政策の方向性について述べた。

キーワード:国家廃棄物管理総合計画,廃棄物政策,先進工業国,環境保全中長期総合計画,廃棄物
廃棄物学会誌,Vol. 13, No.4, pp.221-230, 2002
原稿受付 2001.10.19  原稿受理 2002.6.17
* 京都大学大学院 エネルギー科学科
エネルギー社会・環境科学専攻
連絡先:〒611-0011 京都府宇治市五ヶ庄 朴 正漢