【要 旨】 ごみ収集車からのNOx, COおよびTHCの発生量のデータを用いて,路上ごみ収集の環境負荷のシミュレーションを行った。その結果,(1)ごみステーション間距離が50〜100mの範囲で収集効率が最大になり,環境負荷が最小になること,(2)収集車の市街地の平均車速が大きいほど,収集効率は大きく,環境負荷が小さくなること,および(3)収集地域の面積が小さいほど,収集効率は増大し,環境負荷が減少することが明らかになった。また,シミュレーションと平均車速または燃料消費量によって推定した大気汚染物質の発生量の比較によって(1)車速法は汚染物質の発生量の推定法としては満足できる結果を与えるのに対し(2)燃料法では燃費の設定が大きな誤差の原因となる可能性があることを示した。
キーワード:シミュレーション,路上収集,収集効率,環境負荷,推定法
廃棄物学会論文誌,Vol. 13, No.4, pp.223-230, 2002
原稿受付 2001.5.21
* UFJ総合研究所マネジメントシステム部
** 一橋大学大学院社会学研究科
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一橋大学大学院社会学研究科 御代川貴久夫