【要 旨】 大阪府内の5つの病院における感染性廃棄物の発生とその管理状況を調査した。調査したすべての病院は,感染性のものを含む医療廃棄物の院内焼却を行わず,その処理を専門業者に委託していた。感染性廃棄物の発生量(L/y)は,2300exp(0.007N)と近似され,床数Nに依存して指数的に増加する傾向がみられ,病院の負担する費用は,40-70円/Lとばらつきがあった。医療製品の購入データを元に感染性廃棄物の構成を推定する方法を提案し,今回調査を行った中の498m3/yの医療廃棄物を発生する病院でケーススタディを行った結果,全体の1.5%(v/v)が感染性廃棄物であり,病棟からの排出が最も多いことが示された。また,その物理的な組成はラテックス51%(w/w),綿23%,不織物12%,ポリ塩化ビニル7%であることが推算された。
キーワード:感染性廃棄物,発生調査,大阪
廃棄物学会論文誌,Vol. 13, No.4, pp.231-235, 2002
原稿受付 2001.7.13
* 大阪大学大学院工学研究科 地球総合工学専攻
** 大阪大学大学院工学研究科 環境工学専攻
*** 箕面市立病院医務局 中央検査部
連絡先:〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-1
大阪大学大学院工学研究科地球総合工学専攻 山口 克人