【論  文】

事業系ごみ量と組成の事業所種類別発生・循環流れ推計法に関する研究
羽 原 浩 史*・松 藤 敏 彦**・田 中 信 壽**

【要 旨】 事業系ごみ(事業系一般廃棄物)はさまざまな事業所から排出され,事業所の種類によって発生量・組成が異なる。しかし家庭系ごみに較べて調査例が少なく,発生・循環構造はよく知られていない。本研究では事業所を11グループに分け,それぞれの不要物発生・循環量,組成を推計する方法を提案した。
 推計はいずれの都市に対しても容易に行える必要がある。そのため全国共通調査である事業所・企業統計調査(総務省)をもとに事業所のグループ化を行い,発生原単位の基準を同調査によって得られる従業者1人あたりとした。発生原単位は,事業系ごみの発生,資源化量を調査した札幌市の数値を基にしているが,発生原単位や推計結果の妥当性を既往の調査結果と比較し,人口20万人以上の都市に適用してごみ排出量の推計精度を確認した。また,本推計法の有効性を示すため,資源化・減量化計画への適用例も示した。

キーワード: 事業系ごみ,不要物発生量,発生・循環流れ,事業所分類,推計法
廃棄物学会論文誌,Vol. 13, No.5, pp.315-324, 2002
原稿受付 2001.12.6  原稿受理 2002.6.13
* 北海道大学大学院工学研究科
** 北海道大学大学院工学研究科
環境資源工学専攻廃棄物処分工学分野
連絡先:〒060-8628 札幌市北区北13条西8丁目
北海道大学大学院工学 研究科 羽原 浩史