【特 集:廃棄物計画論へのアプローチ―廃棄物計画部会活動報告―】

住民参加型計画策定における情報公開と環境教育・学習
井 土 將 博*(市民・学習グループ)

【要 旨】 今日の廃棄物問題は,社会構造や生活スタイルの変化を必要としている。そのため,国は環境基本法や循環型社会形成基本法等を制定し,持続可能な社会形成に向けた施策を進めている。また,都道府県もごみ処理基本計画を作成し,自治体の枠を超えたごみ処理計画を作成している。しかし,ごみ処理基本計画は一人一人の意識と行動が変化しなければ,何の意味もなさない。
 住民参加型の計画策定は民意を反映でき,行動に結びつく計画を策定することができる。ただし,情報の共有化が不十分で計画内容の判断を誤ると,予測もしない方向に進む恐れもある。そのため,環境教育・学習の実施を計画に盛り込み,個人が自ら考え,判断し,行動する意識を芽吹かせる必要がある。また,地域のリーダーを一人でも多く育成し,社会構造や生活スタイルを変化させていかなければならない。本文では,廃棄物計画部会市民・学習Gが研究した3年間の成果を報告する。

キーワード: ごみ処理計画,住民参加,情報の共有化,循環型社会,環境教育・学習
廃棄物学会誌,Vol. 13, No.6 pp.328-334, 2002
原稿受付 2002.9.20
* 国際航業(株)アドバンス事業本部環境エンジニアリング事業部
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