【論  文】

マイクロストレーナーを用いた回転平膜法による活性汚泥分離
藤 井 隆 夫*・迫 田 章 義*・鈴 木 基 之**

【要 旨】 省エネルギー型で膜の耐久性に優れた汚泥分離システムを提案した。このシステムの特徴は分離濾材の孔径が45μmのマイクロストレーナーを使用するところにあり,膜分離に障害となる目詰まり物質を透過させるため,ケーク層比抵抗を大幅に小さく維持でき,長期間安定した分離が可能である。基本的にはケーク層濾過を応用した汚泥分離であるが,分離差圧を1〜2kPaで操作することにより汚泥の圧密化を防ぐことができる。さらに回転平膜法と組み合わせることにより,濾材の回転による剪断力でケーク層の形成を抑制することができる。また濾材表面に疎水性処理を施したステンレス製スクリーン(孔径45μm)を用いて長期間の実証実験を行った結果,3ヵ月間に2回の簡単なブラシ洗浄だけで安定した運転が可能であり,処理水質(SSおよびTOC濃度は10mg/L前後)も良好であった。

キーワード: 活性汚泥プロセス,膜分離,目詰まり物質,ケーク層濾過,表面処理
廃棄物学会論文誌,Vol. 13, No.6, pp.394-400, 2002
原稿受付 2002.4.9  原稿受理 2002.7.31
* 東京大学生産技術研究所
** 国際連合大学
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東京大学生産技術研究所 第4部迫田研究室 藤井 隆夫