【要 旨】 本研究は,自治体によって分別収集された資源廃棄物の再利用を促進するためのインセンティブを事業者に与えるための経済的手法として,処女資源の利用に対する課税とリサイクル行動に対する補助金制度に関するものである。まず第一に,部分静学モデルを用い,資源廃棄物の再利用を促進するための経済的手法が廃棄物削減効果を持つために満たすべき条件を導出し,それがリサイクル財の需要の価格弾力性値と,廃棄物発生係数(一単位の消費により発生する廃棄物量)の大きさに依存することを明らかにした。第二に,一定の廃棄物削減目標を実現するために効率的な課税/補助金体系を検討し,各財の廃棄物発生係数の比に応じた生産税と資源廃棄物利用補助金の組合わせが最適解の1つであり,かつ実行性が高いことを示した。
キーワード: 資源廃棄物,再利用の促進,経済的手法,廃棄物削減効果,最適な課税/補助金体系
廃棄物学会論文誌,Vol. 13, No.6, pp.401-409, 2002
原稿受付 2001.3.9 原稿受理 2002.8.7
* 福島大学経済学部
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福島大学経済学部 石田 葉月