【要 旨】 リサイクルが難しいとされている廃フェノール樹脂と雑誌古紙から,フェノール樹脂接着剤を用いてパネルを形成し,さらに二酸化炭素賦活法で吸着性能を有する炭素系パネルを調製した。パネルの曲げ強度特性を調べたところ,炭化処理で曲げ弾性率(MOE)が増加した。ところが,二酸化炭素賦活によりMOEと曲げ強さ(MOR)が低下した。これは,二酸化炭素を用いた賦活処理中に,廃フェノール樹脂中に含まれる有機物の分解がMOEやMORの低下に影響を与えたと思われる。一方,炭素系パネルの比表面積は,廃フェノール樹脂を含まないパネルで670〜990m2/g,廃フェノール樹脂を含むパネルでは650〜760m2/gであり,細孔構造の発達がみられた。
キーワード: 廃フェノール樹脂,雑誌古紙,炭素系パネル,曲げ強さ,細孔構造
廃棄物学会論文誌,Vol. 14, No.1, pp.36-42, 2003
原稿受付 2001.12.7 原稿受理 2002.10.24
* 東京都立産業技術研究所 資源環境技術グループ
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