【特 集:土壌汚染対策】

わが国の土壌汚染と対策技術
平 田 健 正*

【要 旨】 土壌汚染対策法が2003年2月に施行される。新法は汚染土壌の直接摂取と地下水摂取の経路遮断によって,人への健康リスクを低減するところに特徴がある。土地の利用状況や管理状態に応じた,実施可能な対策選択肢も広がる。汚染土壌の浄化に加えて,覆土や舗装措置,原位置不溶化措置や原位置封じ込め措置などであるが,こうした対策では依然として原位置に汚染物質は残留している。土壌汚染対策は,あくまでも原位置から汚染物質を除去し,無害化することが基本であり,本報告では,土壌汚染の対策技術について,技術開発や実用化の現状をまとめた。

キーワード: 土壌汚染対策法,土壌汚染,重金属,揮発性有機化合物,修復技術
廃棄物学会誌,Vol. 14, No.2 pp.85-92, 2003
原稿受付 2003.1.16
* 和歌山大学システム工学部・教授
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