【要 旨】 本研究は,下水処理場で多量に発生し,しかも難脱水性の余剰汚泥を再生し,脱臭材としての利用を図ることを目的とした。そこで余剰汚泥を電解処理により性状改質を行い,この脱水汚泥(含水率80%)を試料として,下水処理時に発生する代表的臭気の脱臭性能の検討を行った。先ず,バッチ脱臭実験により,この電解汚泥は短時間に85〜95%以上の脱臭性能を示した。次に,連続実験により,脱臭性能は400時間まで99%以上の安定した除去率が得られた。さらに試料の含水率を保持することにより脱臭性能の持続性を図ることができた。
これらのことから電解処理した余剰汚泥が脱臭材として再生利用可能であることを見出した。
キーワード: 電解汚泥,吸着,臭気,含水率
廃棄物学会論文誌,Vol. 14, No.2, pp.102-108, 2003
原稿受付 2002.3.13 原稿受理 2002.12.20
* 日本大学大学院生産工学研究科土木工学専攻
** 日本大学生産工学部土木工学科
*** 道都大学美術学部建築学科
**** 日本大学生産工学部教養・基礎科学系
連絡先:〒275-8575 千葉県習志野市泉町1-2-1
日本大学生産工学部土木工学科 高橋 岩仁