【特 集:産業廃棄物税】
産業廃棄物税の産業廃棄物処分業者への影響
井 上 吉 一*・嶋 本 文 夫*・中 内 博 昭*

【要 旨】 2002年4月1日に三重県で全国初の産業廃棄物税条例が施行されて1年が経過した。条例の施行は,産業廃棄物処分業者にどのような影響をもたらしたか。また産業廃棄物処分業者が産業廃棄物税条例に対してどのような取り組みを行ったか。三重県に本社を置く産業廃棄物処分業者である我が社を一つのモデルケースとして三重県の産業廃棄物税の仕組みからその影響を検証し,かつ他の自治体での仕組みに置き換えた場合どのような影響が考えられるのかについて産業廃棄物処理現場の実務面も含めて報告する。また,本稿執筆時点においては税の申告納付がなされていない課税対象重量についても平成13年度の我が社の処理実績を根拠に試算した。
 さらに,徴収される税の使途について逼迫する最終処分場の立地促進剤としての役割をもたせ,施設整備を優先させた上で廃棄物の発生抑制,再資源化へと導くことを提言する。

キーワード:三重県,再生施設,税収,使途,最終処分場
廃棄物学会誌,Vol. 14, No.4 pp.209-215, 2003
原稿受付 2003.5.20
*三重中央開発株式会社
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