【論 文】
ストーカ式ごみ焼却炉におけるごみ供給量安定化
システムの開発研究
――ごみの低位発熱量推定,圧密特性に係る基礎研究――
角 田 芳 忠*・中 塚 大 輔**・伊 藤 大 輔***・武 田 信 生***・藤 原 健 史***・高 岡 昌 輝***
【要 旨】 ストーカ式ごみ焼却炉におけるごみ供給量安定化システムの確立に向けた研究の一環として,ごみの見かけ密度と低位発熱量との関連を明らかにし,模擬ごみを用いた実験によりごみの圧密特性を検討した。人口や地域差の影響はあるものの,ごみの見かけ密度と低位発熱量の間には強い負の相関関係が認められ,見かけ密度の測定により低位発熱量の推定が可能となった。ごみ供給部でのごみの見かけ体積変化が大きく,ごみ供給量の推定にはごみの圧密を考慮することが不可欠である。実験により求めた圧密特性曲線は,二次近似式で表される部分と一次近似式で表される部分からなり,ごみ組成により異なるものの基本的には同様の特性関数で表すことができる。
キーワード:ごみ焼却炉,ごみ供給量,低位発熱量,見かけ密度,圧密特性
廃棄物学会論文誌,Vol. 14, No.4, pp.210-218, 2003
原稿受付 2002.12.25 原稿受理 2003.5.1
*北海道大学大学院循環資源評価学(タクマ)講座
**(株)タクマ
***京都大学大学院工学研究科環境工学専攻
連絡先:〒060-8628 札幌市北区北13条西8丁目
北海道大学大学院工学研究科 環境資源工学専攻 角田 芳忠