【論 文】
住宅解体廃木材の有効利用をめざした手壊し解体工法の提案
宮 崎 博 文*・田 中 圭**・井 上 正 文**・高 梨 啓 和***・平 田 誠**・羽 野 忠**
【要 旨】 木造軸組構法住宅の解体工事から発生する廃木材について,建築用材等として有効利用を図るため,作業効率性の高い手壊し解体工法を考案した。この工法を用いて実際に住宅解体工事を行い,発生する廃木材の部材ごとの数量および品質を調査するとともに,作業工程ごとの手間数を計測し作業効率の検証を行った。この結果,建築用材等として有用な廃木材が単位床面積(1m2)あたり0.071m3得られることがわかった。また,作業手間数は,同一条件の分別解体と比較して単位床面積あたり0.98人・時多く必要であったが,廃棄物の発生量が減少することを差し引きすると,環境効率性および経済効率性の高い工法システムであることがわかった。
キーワード:手壊し解体,分別解体,木造軸組構法,解体廃木材,環境効率性
廃棄物学会論文誌,Vol. 14, No.4, pp.219-227, 2003
原稿受付 2002.10.7 原稿受理 2003.5.15
*大分県衛生環境研究センター
**大分大学工学部
***鹿児島大学工学部
連絡先:〒870-1117 大分市高江西2丁目8番
大分県衛生環境研究センター 宮崎 博文