【論 文】
ふん尿・食品残渣のメタン発酵施設における運転データの解析
小 川 幸 正*・藤 田 正 憲**・中 川 悦 光***
【要 旨】 本報文は,畜産ふん尿とおからを対象にメタン発酵処理と消化ガス発電を行っている「八木バイオエコロジーセンター」の運転実績データに基づき,メタン発酵施設を中心に解析を行った。本センターは,1998年4月より運転を開始しており,メタン発酵ならびに消化液の脱水,脱水ろ液の排水処理,脱水ケーキと肉牛ふん尿の堆肥化を行っている。2000年,2001年の運転データから,メタン発酵の平均VTS負荷1.6kg/m3・日でVTS除去率44.4%が得られた。消化ガスは受入れのふん尿やおからの1tonあたりで平均32.4Nm3発生し,CH4濃度は52〜60%であった。メタン発酵槽内の有機酸濃度はほぼ500mg/L以下の運転であった。また,消化ガスコージェネレーションにおける発電量と場内電力負荷の充足率,回収した廃熱における消化槽の加温熱量の割合等の解析を行った。
キーワード:メタン発酵,消化ガス発電,バイオガス,ふん尿処理,食品残さ処理
廃棄物学会論文誌,Vol. 14, No.5, pp.258-267, 2003
原稿受付 2002.11.27 原稿受理 2003.6.26
* (株)大林組 エコロジーエンジニアリング部
** 大阪大学大学院工学研究科
*** 京都府八木町農林振興課
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(株)大林組 エコロジーエンジニアリング部 小川 幸正