【論 文】
建設廃木材破砕施設における有害金属等の収支
渡 辺 洋 一*・倉 田 泰 人*・小 野 雄 策*・細 見 正 明**
【要 旨】 建築物解体廃木材のリサイクルにあたっては,木材の防腐処理等に使用された有害物質の残留,および使用中あるいは解体時に付着する有害物質に注意する必要がある。建築物の土台部分等に使用され,現在解体されて排出される廃木材には,CCA等の有害金属を含む防腐剤が残留しており,無機顔料,粉塵等に由来すると推察される重金属類も含まれている。建設廃木材中の有害金属等について,量的な把握を行った事例がないため,埼玉県の廃木材破砕チップ化施設を調査し,その収支を明らかにした。その結果,有害金属等については燃料用として50%以上が選別され,破砕・篩い分け処理によりダストに5〜70%移行することが示された。
キーワード:廃木材,チップ化,CCA,重金属,物質収支
廃棄物学会論文誌,Vol. 14, No.6, pp.343-352, 2003
原稿受付 2002.11.5 原稿受理 2003.9.8
* 埼玉県環境科学国際センター
** 東京農工大学工学部 化学システム工学科
連絡先:〒347-0115 埼玉県北埼玉郡騎西町上種足914
埼玉県環境科学国際センター 渡辺 洋一