【論文】

情報提供を伴う働き掛けが家庭ごみの排出に及ぼす影響について
神 ア 広 史・立 本 英 機


【要 旨】 循環型社会を実現するためには,単なるごみの資源化の拡大だけでなく,ごみの排出抑制を一層進めることが必要である。このような観点からごみ排出者である住民を対象として,ごみ減量・資源化に向けた「意識啓発事業」が多くの自治体で行われている。意識啓発事業は,パンフレット等による情報提供が一般的であるが,これらの情報媒体を活用しつつ,自治体から住民へ,政策意図を強く反映した働き掛けが行われている。このような情報を伴う働き掛けが一般家庭のごみ量に与える影響について明らかにするため,家庭ごみ計量調査および働き掛けに関する実験を行った。その結果,ごみ排出者に対して情報提供を伴う働き掛けを行うと,幅広いごみ組成に対する排出抑制として現れ,4ヶ月以上経過しても,ごみ減量効果が持続することを確認した。


キーワード:家庭ごみ,排出実態調査,実験計画,情報提供,ごみ減量効果
廃棄物学会論文誌,Vol. 15, No.2, pp.77-85, 2004
原稿受付 2002.9.30  原稿受理 2003.11.18
* 千葉市環境局
** 千葉大学工学部 教授
連絡先 〒260-8722 千葉市中央区千葉港1-1
千葉市環境局環境管理部環境事業総務課 神ア 広史