【特 集:エコデザイン】
複写機におけるエコデザイン
渡 辺 富 夫*

【要 旨】 富士ゼロックスは,世界的に深刻となっている環境問題に率先して取り組み,全社方針の『廃棄ゼロ』を達成するため,環境負荷の少ない部品リユースを重点に,使用済み商品から埋立てするものを出さない「資源循環型システム」を構築した。そして,事業活動と環境保全活動を両立させた「環境経営」を実践する企業として広く知られている。本稿は,資源循環型システムの基本的な考え方,部品リユースを前提とした循環商品企画,3R効果を捉えた複写機の循環モデル,部品リユースを可能とする設計事例,環境負荷の低減効果,資源循環設計の達成レベルを設計者自らがセルフチェックする製品アセスメント,環境影響情報の公開,廃棄ゼロ実現に向けた活動などを紹介するものである。決して現状に満足することなく,資源循環システムを進化させるために,さらなる『広がり』を目指した活動を展開している。

キーワード:廃棄ゼロ,資源循環型システム,部品リユース設計,ファクターX,製品アセスメント
廃棄物学会誌,Vol. 15, No.3 pp.123-130, 2004
原稿受付 2004.3.3
* 富士ゼロックス アセット・リカバリー・マネージメント部
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