【論文】

連続実態調査による家庭ごみ排出量と資源物回収量の関連分析
荒 井 康 裕・小 泉   明・谷 川   昇・及 川   智


【要 旨】 本論文では,連続実態調査から得たデータを用い,家庭ごみ排出量と資源物回収量との関連分析を行った。総排出量の多少を基準にしたグループ別に,紙類およびプラスチック類の資源物回収量の多寡,ならびに回収量の向上に伴うごみ減量化効果について分析した。
まず,アンケート結果を説明要因とする数量化理論第U類の適用により,総排出量の増減変化がごみ減量化意識の高さ,世帯属性の差異に起因することを示し,総排出量の多少を考慮した3グループにデータを分類した。つぎに,資源物回収量のごみ排出量に対する比を資源物比と定義する一方,資源物回収の実態をごみ組成項目別のデータから考察した。そして,資源物比の高低によって区分された2群間で紙類およびプラスチック類の回収量の差を比較した上で,資源物回収量の向上によるごみ減量化の可能性を定量的に示した。


キーワード:家庭ごみ,資源物,ごみ減量化,連続実態調査,数量化理論
廃棄物学会論文誌,Vol. 15, No.3, pp.200-207, 2004
原稿受付 2003.4.18  原稿受理 2004.1.28
* 東京都立大学大学院
** 北海道大学大学院
*** 東京都環境科学研究所
連絡先:〒192-0397 東京都八王子市南大沢1-1
東京都立大学大学院 工学研究科 土木工学専攻 荒井 康裕