透明・半透明袋制導入時のごみ減量効果および減量要因の解析
福 岡 雅 子*・小 泉 春 洋*・山 川 肇**・高 月 紘***
【要 旨】 本研究は,透明・半透明袋制のごみ減量効果を明らかにし,排出袋のルール改正時の検討に資することを主目的とし,ごみ有料化の導入が比較的少ない人口10万人以上の京阪神圏都市を対象に実施した。家庭系ごみ排出原単位の分析により,透明・半透明袋制導入市と有料化や指定袋制の導入市のごみ減量状況の比較を行った。また,透明・半透明袋制を導入した大阪府枚方市の導入前後の家庭系ごみについて,詳細な組成分析調査を行い,ルール改正によるごみ質の変化を把握した。その結果,透明・半透明袋制が,ごみ減量効果を発揮していることが明らかとなった。ごみ減量効果には,自由排出<透明・半透明袋制<透明・半透明袋以外の袋制(指定袋制等)の大小関係が見られた。また,枚方市をモデルとした調査・分析結果で,透明・半透明袋制でのごみ減量は,集団回収量の増加,系外への移行・自然減によることを推定した。
キーワード:家庭系ごみ,透明・半透明袋,指定袋,ごみ減量効果,ごみ質
廃棄物学会論文誌,Vol. 15, No.4, pp.266-275, 2004
原稿受付 2003.9.1 原稿受理 2004.3.8
* (株)地域計画建築研究所 大阪事務所
** 京都府立大学人間環境学部
*** 京都大学環境保全センター
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(株)地域計画建築研究所 福岡 雅子