【論文】

長期使用とリユース促進のための家電製品・パソコンの廃棄行動実態とその行動要因の調査
田 崎 智 宏*・寺 園   淳*・森 口 祐 一*


【要 旨】 家電製品等の保有者をリデュース・リユース行動へ誘導する基礎的知見を得ることを目的として,テレビ,エアコン,冷蔵庫,洗濯機,パソコン,電子レンジ,掃除機,ビデオデッキを保有する消費者の過去の廃棄行動ならびに今後の予定廃棄行動についてアンケート調査を行った。その結果,家電製品の多くは故障による捨替行動として手放されておりリユース行動にはあまり結びついていないこと,リユースを行っても製品の全使用年数が長期化しない場合があること,需要さえあれば故障していてもリユースされうること,使用年数が一定期間以上経過した製品等を修理・リユース行動に促すことは保有状況上難しいこと,これらの行動意思があっても半数程度は社会システム的な要因が阻害していること,製品の使用継続意思は調子が悪くなるだけで急激に低下することなどが示された。


キーワード:家電製品,パソコン,廃棄行動,長期使用,リユース
廃棄物学会論文誌,Vol. 15, No.4, pp.310-319, 2004
原稿受付 2003.9.18  原稿受理 2004.3.17
* (独)国立環境研究所 循環型社会形成推進・廃棄物研究センター
連絡先:〒305-8506 茨城県つくば市小野川16-2
(独)国立環境研究所 循環型社会形成推進・廃棄物研究センター 田崎 智宏