【論文】
家庭系ごみ炭化物の特性と炭化処理の資源化・埋立前処理としての可能性
松 藤 敏 彦*・田 中 信 壽*・角 田 芳 忠**・東 條 安 匡*・松 尾 孝 之*
【要 旨】 家庭系ごみ炭化物の特性と,資源化および埋立前処理技術としての炭化処理の可能性を検討した。対象としたのは可燃ごみ,不燃ごみ破砕残渣,粗大ごみ破砕残渣であり,可燃ごみについては厨芥,プラスチックを除いたものも試料とした。
粗大ごみは木を含むため,炭化物は燃料としての利用可能性が最も高い。粉砕・ふるい分けによる有価金属の回収も期待できる。不燃ごみ,可燃ごみは灰分が多いが,炭化物からの重金属溶出量は小さく,有機物が減少するため埋立前処理として炭化が利用できる。炭化物中の塩素は,水洗処理によってセメント利用等の自主規制値以下にできる。灰分除去方法として比重選別,粉砕・ふるい分けを比較したところ,同程度の効果をもち,簡便さの点で前者が優れている。
キーワード:炭化,家庭系ごみ,灰分除去,資源化,埋立前処理
廃棄物学会論文誌,Vol. 15, No.5, pp.408-417, 2004
原稿受付 2004.2.5 原稿受理 2004.7.5
*北海道大学大学院工学研究科 環境資源工学専攻
廃棄物資源工学講座
**北海道大学大学院工学研究科 環境資源工学専攻
循環資源評価学講座
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北海道大学大学院工学研究科 環境資源工学専攻 廃棄物資源工学講座 松藤 敏彦