【論文】
ごみ処理体制変更時のモデル実施から全市実施に向けての留意点――プラスチック製容器包装分別収集を例にして――
福 岡 雅 子*・小 泉 春 洋*・高 月 紘**
【要 旨】 本研究は,2000年度から完全施行された容器包装リサイクル法に対応して市町村で分別収集が導入されつつあるその他プラスチック製容器包装について,既に分別収集を導入した自治体の事例から,モデル実施および全市実施を行った場合の収集量原単位や収集ごみ質等の変化を把握し,分別収集の方法等による違いを検討した。
その結果,行政区域全体で導入した場合(全市実施)は,行政区域の一部でモデル的に導入した場合(モデル実施)に比べて収集量原単位が大きくなる傾向があることが明らかとなった。原因として,モデル実施と全市実施における住民啓発方法や住民への協力要請内容の違いが,収集量原単位に影響を与えていることが想定できた。寝屋川市におけるごみ質分析結果でも,全市実施時にはモデル実施時に比べて住民の協力が高まり,プラボトル,パック・トレイ等については,重量で7割以上が適正に分別排出されることが確認できた。
キーワード:その他プラスチック製容器包装,分別収集,モデル実施,全市実施,収集量原単位
廃棄物学会論文誌,Vol. 15, No.5, pp.418-428, 2004
原稿受付 2003.11.20 原稿受理 2004.7.5
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