【特 集:容器リサイクルのコストと容器包装リサイクル法―社会・経済部会,消費者市民研究部会の共同特集―】
容器包装リサイクル法の課題と論点
――費用測定とごみフローへの影響を中心として――
山 川   肇*
【要 旨】 本稿では,自治体の容器包装リサイクル費用の算定,ごみフローへの影響を中心として,容器包装リサイクル法にまつわる課題と論点について,既存研究を整理しつつ検討を行った。自治体のリサイクル費用に関して,全費用を内部化する必要性について整理するとともに,内部化の観点からどのように費用を測定すべきかを検討した。また容器包装リサイクル法は発生抑制効果が弱く,リターナブル容器促進効果はなかったことを示した。ドイツと比較してプラスチックの削減に課題があると考えられた。その他,制度改善のためには,再商品化能力査定の適正化,引取保証制度の確立,入札制度改革,リサイクル手法選定基準の適正化,再商品化に関するトレーサビリティの確保,対象容器包装の拡大,小規模事業者の義務免除の廃止または申告制の導入,特定事業者の事務負担の軽減等の検討が必要であることを示した。
キーワード:容器包装リサイクル法,リサイクル費用,ごみ減量,ミスマッチ問題,入札制度改革
廃棄物学会誌,Vol.15, No.6, pp.262-274, 2004
原稿受付 2004.10.20
*京都府立大学人間環境学部
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