【特 集:容器リサイクルのコストと容器包装リサイクル法―社会・経済部会,消費者市民研究部会の共同特集―】
市民が望む容器包装リサイクル法
羽 賀 育 子*
【要 旨】 容器包装リサイクル法は事業者が初めて再商品化義務を負った法律だが,自治体の負担が2:1とか7:3ともいわれ,実質的には税金でリサイクルしている法律である。利益を享受した作った人,売った人,買った人が,排出からリサイクルまでの費用を負担すべきである。そのためには生産者の責任を拡大し,設計段階で環境負荷の少ない製品が作られるようにする。その費用は製品価格に転嫁する。
3Rの優先順位を明記し,リユース社会を目指す。リサイクルを促進するためにデポジット制度などの経済的誘導策を講じる。そして何より,自国内での資源完全循環がなされる改正を望む。
キーワード:拡大生産者責任,発生抑制,リユース,デポジット,自国での資源循環
廃棄物学会誌,Vol.15, No.6, pp.289-292, 2004
原稿受付 2004.10.4
*消費者市民研究部会
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