【展望論文】
熱分解ガス化−改質によるバイオマス・廃棄物からの水素製造技術の現状と課題
川 本 克 也*・倉 持 秀 敏*・呉     畏*

【要 旨】 バイオマスおよび/または廃棄物からの水素製造を循環型社会に必要とされる再生可能資源利用技術と位置づけ,現状と課題を整理した。熱分解-ガス化および改質にもとづく技術開発例とその特徴,影響因子に関する研究例などについて各種文献をもとにレビューした。さらに,今後の総合的なシステムとして発展させる上で考慮・検討されている種々の技術的要素,とくに,大きな課題となる水素や一酸化炭素などの生成効率とタールの転換効率などに対する触媒適用の効果,燃料電池などとの組み合わせを考慮した場合に重要となる阻害物質あるいは微量有害物などの環境負荷物質の分離,精製,除去などの技術的方策について整理した後,あるべき将来像に言及した。

キーワード:熱分解ガス化,改質,水素,バイオマス・廃棄物,分離・精製
廃棄物学会論文誌,Vol.15, No.6, pp.443-455, 2004
原稿受付 2004.2.19  原稿受理 2004.7.20
* (独)国立環境研究所 循環型社会形成推進・廃棄物研究センター
連絡先:〒305-8506 茨城県つくば市小野川16-2
(独)国立環境研究所 循環型社会形成推進・廃棄物研究センター
川本 克也