【論 文】
高濃度牛ふん尿の中温メタン発酵特性
櫻 井 邦 宣*・李 玉 友*・野 池 達 也*
【要 旨】 高濃度搾乳牛ふん尿の中温(35℃)メタン発酵特性を解明することを目的として,完全混合反応槽を用いた室内連続実験を行った。メタン発酵槽の水理学的滞留時間(HRT)を30日,15日,7.5日および投入TS濃度を約10%に維持して実験を行ったところ,CODCr分解率は45〜25%,投入VSあたりのバイオガス生成量は0.32〜0.18m3/kg-VS,メタンガス生成量は0.20〜0.11m3-CH4/kg-VSまで変化し,いずれもHRTの短縮に伴って減少した。また有機物の分解を擬似一次反応で解析し,速度定数と難分解性割合が求められた。
キーワード:嫌気性消化,高濃度メタン発酵,牛ふん尿,中温,動力学
廃棄物学会論文誌,Vol.16, No.1, pp.65-73, 2005
原稿受付 2004.9.14 原稿受理 2004.10.27
*東北大学大学院工学研究科
連絡先:〒980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉06
東北大学大学院工学研究科土木工学専攻
環境保全工学研究室 李 玉友