【特 集:海洋投入と汚染底質土】
ダイオキシン類汚染底質の対策技術
辻   博 和*・角 田 省 吾*・岡 田 哲 一*

【要 旨】 ダイオキシン類に汚染された底質の対策処理は,20世紀の負の遺産の解消に向けた課題の一つである。筆者らが所属する〓底質浄化協会では,今まで,ダイオキシン類に類似しているPCBs等の汚染底質の対策工事について,数多くの事例に携わってきた。この実積を踏まえれば,従来のPCBsなどの有害底質の処理処分技術を慎重に運用し,これら技術をより安全で,より環境に影響の少ない技術にレベルアップすることによって,技術開発の途上にある分解無害化の技術を除けば,ダイオキシン類に汚染された底質の対策処理に充分対応できると考えている。
本報告では,ダイオキシン類汚染底質対策工法の全般を概説し,工事において最も重要となる汚濁拡散防止対策について述べた後,具体的に処理工事を構成する原位置処理工法・浚渫・掘削除去工法・分解無害化工法・最終処分工法の技術について,基本的な考え方を中心に紹介している。

キーワード:ダイオキシン類,底質,汚濁拡散防止対策,原位置処理工法,浚渫・掘削除去工法
廃棄物学会誌,Vol.16, No.2, pp.84-97, 2005
原稿受付 2005.3.4
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(社)底質浄化協会  辻 博和