【論 文】
ごみ中の実態に基づくレジ袋削減の可能性
福 岡 雅 子*・小 泉 春 洋*・高 月 紘**
【要 旨】 プラスチック製容器包装の分別収集があり,排出容器が指定袋でない大阪市および寝屋川市で,家庭から排出されたごみ中のレジ袋を測定した結果,枚数比で72〜74%が何かを入れて捨てられたレジ袋(二次利用袋),残りの26〜28%は空袋であった。二次利用袋を,排出容器(持ち出し袋)と何かを入れて排出容器の中に捨てられたレジ袋(小口まとめ袋)に分けると,ごみ中のレジ袋の12〜14%が持ち出し袋であった。小口まとめ袋は,排出容器(親袋)に直接入れられるもの(子袋)だけでなく,子袋に入れられる孫袋,さらにその中の袋……がある。測定結果では,親袋1袋あたり子袋4.2袋,孫袋1.1袋,曾孫袋0.2袋のレジ袋が用いられ,約66%の小口まとめ袋に湿った厨芥が入れられていた。
測定結果から,ごみ中のレジ袋の削減可能性を検討し,使用抑制および薄肉化を進めた場合,現状に比べて重量で55〜57%のレジ袋が削減可能であると試算した。
キーワード:レジ袋,二次利用,空袋,子袋,削減
廃棄物学会論文誌,Vol.16, No.2, pp.97-107, 2005
原稿受付 2004.5.17 原稿受理 2004.11.1
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