【論  文】
建設廃棄物の排出量と中間処理能力の地理的な需給アンバランスの解析
川 畑 隆 常*・大 迫 政 浩*・山 田 正 人*・田 崎 智 宏*・松 井 康 弘**・立 尾 浩 一***

【要 旨】 建設廃棄物の再資源化システムを広域的に構築するためには,廃棄物輸送にかかる非効率さを把握し,対策を講じることが重要である。本研究では,関東圏内における建設廃棄物の地域的な排出量および中間処理施設の処理能力分布から,排出後のフローが排出量と処理能力および両地点間の道路距離で規定されると仮定して,市区町村間のフローを推計する物流モデルを作成した。また,施設の配置状況が原因で引き起こされている地域的な廃棄物の需給のアンバランスさを空間的・定量的に示す指標を作成した。指標値の高く示された地域について,政策決定の場面における指標の使い方について,再資源化の促進,不適正処理の防止の観点からの提案を行った。

キーワード:建設廃棄物,物流モデル,需給アンバランス指標,施設立地,地理的分布
廃棄物学会論文誌,Vol.16, No.2, pp.151-162, 2005
原稿受付 2003.12.29  原稿受理 2004.12.7
*(独)国立環境研究所 循環型社会形成推進・廃棄物研究センター
**岡山大学大学院自然科学研究科
***〓日本環境衛生センター
連絡先:〒305-8506 茨城県つくば市小野川16-2
(独)国立環境研究所 循環型社会形成推進・廃棄物研究センター
川畑 隆常