【特 集:埋立地再生にむけた技術開発・調査研究の現状】
埋立地再生技術と経済性評価
長 田 守 弘*・藤 吉 秀 昭**

【要 旨】 新たな埋立地の確保が困難な中で,既存の埋立地再生のニーズが高まっているが,埋立地再生には,掘り起こし技術,選別技術,溶融技術,埋立地再整備技術等の要素技術を組み合わせ,埋立廃棄物の性状に応じた最適システムを構築する必要がある。この中で掘り起こしごみ中の灰分が多い場合には溶融処理が有効であり,これまで一般廃棄物処理のために整備されてきた溶融施設の余力を活用すれば埋立における過去の負の遺産を解消することができる。こうした観点からその経済性を定量的に検討するためにケーススタディを行ったところ,専用施設での溶融処理は経済的負担が大きいが,一般廃棄物との混合処理が処理コストの大幅低減に有効であることが明らかとなった。また埋立地再生は新規に処分場を建設することに比べ,周辺住民の理解を得やすい環境にあることや既存埋立物の安定化・無害化を進められること等の定性的なメリットに加え,コスト的にも十分見合うレベルに合うことが示された。

キーワード:埋立地,掘り起こしごみ,溶融,選別,再生
廃棄物学会誌,Vol.16, No.3, pp.142-149, 2005
原稿受付 2005.3.31
* 新日本製鐵(株) プラント・環境事業部 環境ソリューション事業センター
** (財)日本環境衛生センター 環境工学部
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新日本製鐵(株) プラント・環境事業部 環境ソリューション事業センター  長田 守弘