【特 集:埋立地再生にむけた技術開発・調査研究の現状】
埋立地再生・延命化事業の事例
笹 井   裕*

【要 旨】 近年,埋立地の再生事業が注目を集め始めている。既設の処分場を再生する目的はいくつか考えられるが,主なものとして,@不適正な処分場の埋立物を無害化(溶融等)して,修復するもの,A新処分場の確保が難しく,既存埋立物を掘り起こして資源化・減容化を行い,埋立容量の回復を図り延命化させようとするもの,B修復と延命化を同時に行い,必要に応じては構造の適正化強化を行うもの,などがあげられる。
 再生事業については,現在法的な規定がなく,その位置付けが明らかでない。このため,現在,再生事業が行われているのは,主に法的制約が少ない自治体設置の処分場であり,近年,溶融施設を導入している自治体や不適正処分場の対策に迫られている自治体などでその取り組みが始まっている。
 その中から代表的な事例として,灰溶融炉,直接溶融炉,ガス化溶融炉を利用している事例とその他の方法として移設適正化の事例を紹介する。

キーワード:最終処分場,再生,修復,延命化,溶融資源化
廃棄物学会誌,Vol.16, No.3, pp.150-160, 2005
原稿受付 2005.3.25
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