【論  文】
廃棄物焼却施設・埋立地に対する住民の意識と建設反対の要因
松 藤 敏 彦*・ベンノ・ラハディアン*・藤 本 有 華*・田 中 信 壽*

【要 旨】 ごみ焼却施設,埋立地に対する住民の意識,および施設建設反対の要因をアンケート調査によって分析した。アンケートは3種類実施し,それぞれ周辺住民と行政の違い,施設見学の効果,施設に対するイメージを明らかにすることを目的とした。
 施設建設に対する周辺住民の反対は,一般住民と較べて大変強い。しかし施設からの環境影響等に対する心配は同程度であり,施設による直接・間接的影響よりも,近くに建設されること自体が反対の原因となると考えられる。また一般住民は,埋立地に対して焼却施設よりも強い負のイメージをもっており,イメージの強さと建設反対にはよい相関が見られ,施設見学は,一般住民の施設に対する心配,反対を大きく低減する効果が認められた。

キーワード:廃棄物処理施設,住民,建設反対,アンケート,イメージ
廃棄物学会論文誌,Vol.16, No.3, pp.232-243, 2005
原稿受付 2004.7.29  原稿受理 2005.3.10
* 北海道大学大学院工学研究科 環境循環システム専攻 廃棄物処分工学研究室
連絡先:〒060-8628 札幌市北区北13条西8丁目
北海道大学大学院工学研究科 環境循環システム専攻 廃棄物処分工学研究室  松藤 敏彦